企業の昇進試験となりますと、そういう専門業者に入ってもらってヒューマンアセスメントというのをすることがあります。
その中でよくある試験の種類として「インバスケット」というものがあります。
これは小論文や面接と違ってこれまであまり経験したことがないタイプの試験です。
昇進試験を受けるとなって、初めて「インバスケット」を聞いたという方や、聞いたことはあるけど、どうやって対策すれば良いの? という方のお悩みにこたえていきます。
インバスケットってどんな試験?
インバスケットとは、架空の人物になりきり、制限時間の中でより多くの案件を高い精度で正しく処理することを目標とするバーチャル・ビジネス・ゲームのことである。
インバスケット(未処理箱)に入っている案件を処理していくことが求められるゲームなので、「インバスケット」という名前がついたと言われている。
[Wikipedia]
ゲームと言ってますが、昇進試験では楽しみながらワイワイやるような感じはないです。
めちゃくちゃ集中して、くたくたになりながらやる試験です。
もう少し具体的に説明しますと、席に着くと封筒が配られます。その中にカードが20枚くらい入っています。そのカードにはあなたの置かれた状況が記載されています。
たいてい「急にある部署の課長になりました、でも明日から1週間海外出張でメールも電話もできません。今から2時間で必要な指示をしなさい」とかです。
新しく受け持つ部署の組織図などの予備情報も与えられます。
そして20枚のカードには、部下からのメールや伝言メモが書かれており、「緊急の不具合発生です! 処置指示ください!」とか「歓迎会の日程連絡」とかいろいろあります。
それらに時間内に適切な返事を書いていくのがインバスケットです。
インバスケットで問われるのは優先順位付け
インバスケットを昇進試験に組み込む理由は、小論文や面接やグループ討議では測れない能力をみるためです。その中の1つに優先順位付けというのがあります。
リーダーというのは複数の部下の仕事をマネッジしていく仕事なので、次々と問題解決していかなければなりません。
前述の例で言うと、不具合対応のメールよりも、歓迎会の日程連絡を先に返信していてはリーダーとしてはアウトです。
現実はそんな人がたくさんでしょうが、インバスケットではダメです。
20件の未処理案件を把握して、適切な順番で処理する力が問われていることを意識しなければいけません。
ポイントですが、単に順番を決めて処置していけば良いというものではなく、問題の関連性を見極めて、まとめて解決していくことが求められます。
不具合の情報と、納入遅延の問題があったとします。納入遅延していて、急いで追加出荷したいという商品が、別のメールで不具合リスクがあるというものだったりします。
その場合、その商品の代替となる商品が在庫超過している情報などもあったりするので、全てをまとめて一網打尽に解決していくのがコツです。
インバスケットは時間との戦い
「インバスケットは普段の仕事の延長なので、正解なんかないし、ぶっつけ本番でやるしかないよ」なんて無責任なことをいう先輩もいるでしょう。
でもインバスケットトレーニングの本を熟読してきた人と、インバスケットトレーニングの本を熟読したうえで、実際に時間を測りながらインバスケット問題を回答してみた人と、何もしていないあなたが同じ正答率を出す確率はどのくらいですか?
インバスケットの本なんて山ほどあるので、一冊くらいやってみるべきでしょう。何を選んで良いか分からない方は、ほぼ世の中のインバスケットの本を見た私の個人的オススメを一冊紹介しておきます。
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この本の模試を時間を測って実際にやってみると、いかに時間が足りないかわかります。
基本的にインバスケット試験は時間内で処理しきれないくらいの問題量があります。
そんな状況でいかに素早く的確に判断して指示できるかを問うているので、本番で初めてその問題量に打ちのめされていては遅いです。
リーダーたるもの次々とやってくる予測不能な問題を、待ってましたとばかりに目をキラキラさせてやっつけていかねばならないのです。
インバスケット試験のコツまとめ
もしあなたが「インバスケット苦手だな」と思ったら、繰り返し練習問題を解いてください。
現実の仕事の世界でもシミュレーションしていた場合と、想定できていなかった場合の精神的余裕の持ち方は違います。
部下に動揺をみせてはいけないので、採点者にも動揺をみせない心の準備をして挑んでください!
ほかにも参考になる本はないですか? という質問を何度か受けましたので、私が実際に買って、役に立ったというもので、こちらを紹介しておきます。
インバスケットは鳥原隆志さんの書籍が絶対バズれませんが、特にこの「インバスケット思考」というのが実践的で、試験対策に向いています。
置いていない本屋さんも多いので、時間もないでしょうから、今すぐ買ってライバルに差をつけてください!
あなたのチャレンジを応援しています!